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"ザ・ダークパターン"を読んだ

翔泳社のポイントの期限が切れそうだったので、お盆前に買ったこちらの本を読んだ。 元々ダークパターンという言葉自体は聞いたことがあったけど、企業の利益のためにユーザにとって不便な仕様を指したもの、というざっくりとした理解だったので、これを機会にちゃんと知ろうという動機で購入したのがきっかけ。

この本は4章構成になっていて、1章でダークパターンとは?と言う説明から始まり、2章で心理学の実験やさまざまな本を引用してなぜダークパターンによってユーザは無意識に意思決定を操作されてしまうのかという話があり、その後3章でダークパターンの紹介、4章でダークパターンを防ぐためにサービス提供者ができることを紹介している。

自分が今まで利用したことのあるWebサイトの邪悪な仕様を思い出しながら読めるので、読んでいてとても面白かった。 また、サービスの開発者として自分がダークパターンを作るよう提案された場合、そのときの状況や組織の目標次第ではダークパターンを受け入れてしまうことがあるのではないかと感じた。

実際本の中でも、KGI/KPIに設定した指標を追い求めるがあまり、数値を過剰評価してしまった結果ダークパターンを採用してしまうケースがあると書いており、こうならないためにプロダクトが顧客に対して価値を提供できているかを表す「ノーススターメトリック」をKPIに設定することが対策として紹介されている。

どういった指標をノーススターメトリックに置いているかというのは本の中で何社か具体例が紹介されているので、気になる人は本を読んだり、North Star Metric(ノーススターメトリック)とは?事例とともに紹介 | Mixpanelに具体的な企業の例が載っているので見てみると良さそう。

自分が担当しているサービスの中でダークパターンに該当する機能を作っていないか?、組織がKPI/KGIの数値を過剰に評価しすぎてしまってダークパターンを作りうる状態になっていないか?、考える良い機会になった本でした。

参考リンク

Deceptive Design - user interfaces crafted to trick you

ダークパターンの手法と事例を学ぶサイト – darkpatterns.jp