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"EMPOWERED"を読んだ

Kindleのセールで安くなっていたので、気になっていた「EMPOWERED」を読んだ。

書籍の中でも「まえがき」の中で

主な対象読者はプロダクトリーダーだ。本書の中でそのものずばりの具体的な定義が示されてはいないが、プロダクト組織に対して一定以上の権限で影響力を行使できる、プロダクトマネジメント組織やテクノロジー組織のマネジメントポジションを想定している。

と書かれているように、この本はプロダクトマネジメントやエンジニアリング部門のリーダー向けの本になっている。

この本では、優れたプロダクトを作るために必要なプロダクト組織/チームをどうやって作っていくか、ということをテーマとしている。 優れたプロダクト企業と大半の企業の違いの説明から始まり、プロダクトのビジョンや戦略、組織の目標に対する考え方について書かれている。

ちょうど仕事でも手を動かしながらチームをマネジメントする役割についているので、自分の環境と照らし合わせながら読むことができた。

例えば、「PART II:コーチング」では、プロダクトチームのメンバーに対して、オーナーシップや考える力を持ってもらうことが重要であるということが書かれていたり、そのためにリーダーとしてどういうことができるのか?ということが書かれている。また、「PART VII:チームの目標」ではチームの目標を決めて、プロダクトの戦略どうやって行動に落とし込んでいくか?ということが書かれている。

個人的には、「Chapter75 エバンジェリズム」で書かれていた、「価値を伝えるためのテクニック」がリーダーとして誰かに説明や提案をする際のスタンスとしてとても参考になった。

- プロトタイプを見せること
- プロダクトの顧客のペイン(痛み, 悩み)を共有する
- ビジョンを共有する
    - 何をやっているのかではなく、どこに向かっているのかを共有する
- 学びを共有する
    - データや、顧客の声からのインサイトや問題を共有する
- 貢献してくれる人々の名前を共有する
    - ステークホルダーにも自分達のプロダクトだと思ってもらえるようにしたい
- デモをする方法を学ぶ
- 自己学習をする
    - きちんと学んでいるという姿勢を見せることでステークホルダーにもチームにも付いてきてもらえる可能性が高くなる
- 自分のプロダクトに対して心の底からときめきを感じる
- 熱意を表に出すやり方を学ぶ
- プロダクトチームと時間を過ごす
    - 面と向かって時間を過ごすことでチームのモチベーションの向上に大いに役立つ

それ以外にも、リーダーがまとまった時間を確保することの重要性であったり、メンバーに対してチームの権限を明確に示すことや、メンバーの自立を促すために必要なコンテキストを渡してあげるといったことが書かれていて、個人的には自分を省みる良い機会になった。

この著者がこの本の前に書いた「INSPIRED」はまだ読んだことがないので、ぜひ読んでみたい。